健康は人生の土台ですが、少しのことで体調を崩しやすかったり、病気やケガなどによって、思い通りの生活が送れていないということはございませんか?
当院では、
- 病気とまではいかなないけれど、なんとなく調子が良くない状態の改善
- 内科・整形外科・婦人科・小児科など全て科目の疾患に対応
- 特定疾患に指定されている難病に対して実績あり
以上を、刺激の少ない鍼灸治療によって実績を重ねています。
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鍼灸の歴史を現役鍼灸師が分かりやすく紹介します。
鍼灸は今から二千年以上前に、古代の中国で誕生しました。
原始的な鍼は、石を研いで鋭くし、膿などを出すために使われていました。
これを「砭石(へんせき)」「石鍼(いしばり)」と呼びます。
やがて、加工のしやすさ、強度、素材の持つ特性などから、石から動物の骨、竹、陶器などの素材に変わっていき、
現在の金属を用いた鍼へと変遷していきました。
原始的な灸は、乾燥した葉に火をつけ、膿や傷口を直接焼いて治療するために使われていました。
やがて”よもぎ”の葉の裏にある綿毛だけをとり出して乾燥させ、
小さく穏やかな温度で燃える「もぐさ」を開発し、
直接・間接的に皮膚を温める現在の灸へと変遷していきました。
治療法も
“患部の膿を切って出す”、”焼いて塞ぐ”
といった原始的な方法から徐々に発展していきます。
例えば
“腫れていた膿を出したら別の場所の痛みも治った”
といった偶然の経験が、
同じような痛みで悩んでいる人に試してみたところ、
その人の痛みも同じように改善されたといったように
“局所の刺激が全身に影響を与える”
ということを発見していったのです。
やがて、治療効果の高い箇所が選別されていき
「穴(つぼ)」「経穴(けいけつ)」
と呼ばれるようになり、
また穴同士の関係性が深いルートが発見されていき
「経絡(けいらく)」
と呼ばれるようになりました。
そのような流れを経て、紀元前200年頃に『黄帝内経』という書物にまとめられ、医学としての基礎が出来上がりました。
鍼灸の知識は6世紀頃日本に伝えられました。
律令制度の制定に伴い、鍼博士、鍼生といった官職が鍼灸を扱う医療職として設けられました。
室町時代後期になると日本でも再び鍼が盛んになり、江戸初期には経穴に関する学術的な研究書が数多く編纂されます。
日本鍼灸の特徴である管鍼法(鍼を管に挿入した状態で刺入する方法)が編み出されたのもこの時期です。
江戸末期には、日本での研究が中国でも高い評価を受けることになります。
明治時代に入り、西洋医学が導入されると、漢方も含めた日本の伝統医学は非正統医学として存続の危機に立たされます。
鍼灸は視覚障害者を対象とした営業資格として残りました。
GHQは鍼灸の実践を禁止しようとしますが、度重なる陳情の末、昭和22年に現在の 「あん摩マッサージ指圧師、はり師きゅう師等に関する法律」の原型である法律が制定されました。
戦後の日本の鍼灸は科学的な裏付けが強く求められるようになり、研究も学会レベルで進められるようになります。
アメリカのニクソン大統領が中国を訪問。
このときに中国の鍼麻酔が初めて国際的に報道されました。
この年、WHOは鍼灸治療の適応疾患43疾患を発表しました。
これは臨床経験にもとづくものであり、必ずしも研究上の裏付けを伴うものではありませんが、鍼灸治療の幅広さが理解される資料です。
日本鍼灸医学会と日本鍼灸治療学会とが統合され、 全日本鍼灸学会が設立されました。
これ以降の日本における学術的な鍼灸研究において中心的な役割を担っていくことになります。
明治鍼灸短期大学が明治鍼灸大学に昇格し、鍼灸教育に特化した初めての4年制大学が日本で誕生しました。
これを機に、十分な現代医学の知識を修得した上で医療機関で働く新しい鍼灸師像が求められるようになりました。
筆者の母校でもあります。
また、鍼灸の世界的な学会の連合体であるWorld Federation of Acupuncture and Moxibustion Societies(WFAS)が創設されました。
鍼灸医学の国際的な広がりを受けて、用語の標準化が1980年代のはじめからWHO を中心として始まり、1989年にWHOのジュネーブ会議にて正式に承認されました。
アメリカの国立衛生研究所(NIH)が、手術後の吐き気、妊娠時のつわり、歯科手術後の痛み軽減などに、鍼灸が効果があると発表し、世界的に鍼灸の臨床研究が盛んになります。
WHOは、2003年から伝統医学の国際標準化プロジェクトを開始し、2008年に鍼灸治療で用いるツボ(経穴)の国際標準が定められました。
この他にも漢方領域も含む伝統医学用語の標準化など、国際的な標準化の動きが現在も進められています。
現在の鍼灸は、国際化、標準化が進み、世界規模で研究が進んでいます。
また病気の治療だけでなく、スポーツ・美容・軍隊など様々な分野にも応用されています。
古い時代から受け継がれてきた知恵と経験は、今後も様々に形を変え人々に寄り添って発展していくと考えられます。